■2020.6.1号 No379
システムと運転手の操作交代は困難
自動運転システム化には十分な議論を
  新型コロナウィルス感染拡大防止で持ちきりだった4月1日、重要な意味を持つ改正道路交通法が施行されました。
 システムが運転を担う「自動運転」の実現に対応したもので、今回の改正では「レベル3=すべてシステムが操作し対応できない場合に運転手が操作・責任は運転手とシステム」の自動運転が法的に解禁されたことになります。
 自動運転関連で新たに加えられた【第71条の4の2の2】で自動運行装置を備えている自動車の運転者が、当該自動運行装置を使用して当該自動車を運転する場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、当該運転者については、第71条第五号の五の規定(※前方注意義務)は、適用しない。@当該自動車が整備不良車両に該当しないこと。A当該自動運行装置に係る使用条件を満たしていること。B当該運転者が、前二号のいずれかに該当しなくなった場合において、直ちに、そのことを認知するとともに、当該自動運行装置以外の当該自動車の装置を確実に操作することができる状態にあること―で問題は、自動運転中の前方注意義務が免除されている点です。
 昨年12月の道路交通法改正で一般車両運転中のスマホ操作など(ながら運転)に対する罰則が大幅に強化されましたが、自動運転車両の自動運転中には、そうした行為をしても罰せられませんが、「安全運転義務」は免除されておらず、寝るなどの行為は認められていません。
 問題は、「自動運転中に事故が起きた時の責任」です。道交法は行政上(免許取り消し・停止)の法律ですが、刑事(罰金等)・民事(損害賠償)責任の判断においても道交法を順守していたかが大きな判断基準になります。
 「レベル3」は、自動運転機能の機能限界(設計上決まった走行条件外のとき)になれば、待機している人間が運転を代わる必要があります。
 しかし、瞬時に状況を判断し運転を引き継ぐのは難しく、対応できずに事故が起きた時は、運転手が責任を問われる可能性もあります。
 電子工学に付き物の「バグ」や法整備等も含め、今後も開発に大きな議論が必要です。
【東京地連・道交法対策委員会】